Column
コラム
「11月、冬になるらしい」
11月って、ちょっと不思議な月です。
暦の上では、もう冬になってしまうんですよね。
つまりそれは立冬が11月にやってくるから、なわけですが。
でも外を歩いてみると、コートを着るにはまだ早い感じですし、日中はまだ上着を脱ぎたくなったりして。
「冬だよ」と言われても、「え、そうなの?」という(笑)。
かといって、秋まっさかり!という感じもまだないなあ。
子供の頃のことを思い出すと、この時期はもう少し紅葉が身近にあった気がするような…
通学路の銀杏並木が黄色くなって、落ち葉をわざと踏んで歩いたりして。
でも今はそんなこともなく、それは住まいの周りに自然が少ないからなのかどうなのか。
秋らしさを知らないうちに、なんだか冬がポーンとやってきてる感じが最近あります。
にしても11月が冬というのはやっぱりなんだかしっくりこない私です(笑)
もっともっと昔の人にとっては、立冬の11月って、ちゃんと「冬だなあ」という空気だったんでしょうか。
暦をつくった頃の人たちは、きっと肌で季節の変わり目を感じていたんだろうな。
朝の空気がきりっとして、吐く息が白くなって。
こういうのは農耕と関係が深いですから、そう言う部分から季節感みたいなのが身近にあったのかな。
そう考えると昔の人の冬と、今を生きる人の冬って、案外繋がってるようで繋がってないようにも想ったりします。
とするとですよ。
未来はどうなんでしょうね。
数十年先の誰かは、この時代の11月を、どんなふうに思い返すのかなあ。
まず、秋と言えば!
みたいな概念も変わってるのだろうし、すると案外、
「11月中に冬になると言われてもピンとこないよね」
みたいな。
案外同じことを想ってたりするのかもしれません。
こういう、昔と違うよね、みたいな感覚は季節を通じてどの時代にもあったようにも思えてきます。
そう思うと、このどっちつかずの11月も、ちょっと愛おしくなってきます。
今ここにいる私たちだけが見ている、今だけの11月なんだなって。
昔の人が見た11月とも、これから先の人が見る11月とも違う。
この時代の、この空気の、この11月。
そこにたまたま同じ時代に居合わせて、こうしてコラムを読んでくれているあなたと、同じ景色を見ているんだと思うと、なんだかそれだけでありがたいなあと思うんです。
冬になるらしい11月。
どうか、あなたにとってもいい季節になりますように。
