Column
コラム
「大好きな人に花束を」
帰省することを躊躇ってしまうご時世ですが、みなさんは来年のお正月に実家に帰られますか?
お正月といえばわたしの中で「家族で過ごすもの」というイメージがあるので、今回は家族について書こうかなと思います。
小さな頃、わたしの家では仕事が忙しい母に代わって祖父母が面倒を見てくれていた時期がありました。
だからわたしは昔からおじいちゃんっ子・おばあちゃんっ子で、どんな時もついてまわっていたんです。
でも、そんな時間はあまり長くは続きませんでした。
中学生の時、闘病の末に祖父が天国へ旅立ったんです。
ほとんど毎日近所の畑でお花や野菜を育てていたから、冬でも真っ黒に日焼けをした肌がカッコよくて、優しくて、大好きな祖父。
亡くなったと知った時は頭が痛くなるくらいワンワン泣いて、しばらくは食べ物が何も喉を通りませんでした。
祖父がいなくなった悲しみはもちろんのこと、大好きな祖母がずっと悲しい顔をしているのもとても悲しくて。
そんなに悲しまないでと言いながら、何日も一緒に泣きました。
祖母はとってもチャーミングな人で、たまにでる広島弁が可愛いんです。
庭いじりと変わった消しゴムを集めるのが趣味で、今は2匹の猫と一緒に暮らしています。
私が大学生になって離れて暮らすようになったから、会う回数は減ってしまったけれど、年に1回は必ず会って近況報告をします。
来年のお正月も会いにいくのがとても楽しみ。
そんなことを考えていると、小学生の頃、お小遣いをかき集めて祖母にブランケットをプレゼントしたことをふと思い出しました。
目尻を下げて嬉しそうに受け取ってくれて、わたしまで嬉しくなったこと。
大事そうに使ってくれて、ボロボロになった今でも寝室に置いておいてくれていること。
今年のお正月はコロナの影響で帰れなかったから、会えなかった分の気持ちを込めて来年はプレゼントを持って祖母に会いに行こう。
恥ずかしがって照れ笑いされてしまうかもしれないけれど、ばあちゃんが好きなピンク色の花とじいちゃんが好きな青色の花を買って。
家族って言葉にせずとも不思議と気持ちが伝わる仲だと思うんです。
でもたまに会う時くらいは、言葉や形で伝えてみるのもいいかもしれませんね。