Column

コラム

Dec 20, 2020

「失われた音楽を求めて」

『ローマンという名の男 信念の行方』という映画を観たのが1年ぐらい前でしょうか。

大好物の映画、『ナイトクローラー』のダン・ギルロイ監督作品ということで手に取ったのですが、この映画と同様に善悪の境界線というものを考えさせられる社会派の一本でなかなか見ごたえがありました。

が、観てから1年が経つ中であらすじとか結末といった内容は記憶から薄れゆくもの。

それでもこの映画の中でどうしても忘れられず印象に深く残っているのが、

主人公ローマンが8000曲詰め込んだiPodを大事に大事に持ち歩いていて、キッズに襲われたときも命がけで守ろうとする。

そんな部分。

で、なんで印象に残ったかというと、「俺も、なんか携帯音楽プレーヤー買って持ってるCDとか全部詰め込んで大事に持ち歩きたい」と思ったからです。

すでにPCには20000曲以上入ってたのだけれど、家の押入れの奥深くに眠らせているCDとかCD-Rとかをさらに全部取り込んで、持ち歩こうと、私は決意したわけです。

いざ取り込むとなると500枚ぐらいあろうし、どこにしまったのかも定かでないそれらを取り込むのが面倒くさくて、1年ぐらい経ってしまいましたが…

ここ二か月ぐらいかけて、ついに実行に移しました!

携帯音楽プレーヤーはまだ買っていませんが、調べるとSDカードが入るやつなら30000曲ぐらいは余裕で行けそうです。

ソニーのウォークマン買おうと思っています。

そのうち。

 

さて、自分はカセットやMDやCD-Rなどを経由したのち、音楽をMP3方式なる画期的な方法で管理できるようになったのは大学を卒業し社会人になった後のこと。

必然的に取り込んでいない音源はそれ以前に集めた中学高校大学時代のものがほとんどとなり、まあ懐かしの品の数々!

中学時代聞いてた、浜崎あゆみとかムーンチャイルドとか、

高校時代聞いてた、メタリカとかチルドレンオブボドムとか、

大学時代聞いてた、“トランス”とかO-Zoneの『飲ま飲まイェイ』とか。

まあいろいろ出てくるわけです。

 

しかし困ったことに出てこないのも、結構あるのですね。

ケースを開けたら、入ってなかったり。

取り込もうとしたら、傷とかで取り込めなかったり。

失くしたのか売ったのかあげたのか借りパクされたのか。

絶対に持っていたはずなのにないCDたちも多々。

 

特に気持ち悪いのが、disc1は取り込めて、disc2が傷付いて取り込めなかった、

『狂い咲き』岡林信康

『THE HISTORY OF THE NEW WORLD~凶獣伝説』SABER TIGER

とか。

岡林信康は『申し訳ないが気分がいい』という曲が大好きで、すでに口ずさみながらこれが収録されてるdisc2を取り込んだら取り込めなくて、がっかり。

申し訳ないが誠に気分が悪い。

 

またMr.Childrenなんかは、今ではかつてほどは熱心なリスナーではなくなってしまいましたが、それでもずっと中学のころから好きで追ってて、直近のアルバム以外は全部そろってるのに、

『I LOVE U』だけが行方不明。気持ち悪い。

 

今、自分はそうしたCDたちを仕方がないから、がっつりレンタルしたり買いなおしたりしているところです。

『I LOVE U』は中古で300円で買えました。

いや1曲目の『Worlds end』から本当に名曲ですね。

300円て…。

 

ただ、Mr.Childrenをはじめてちゃんと聞き始めたのが、おそらくシングルの『名もなき詩』がリリースされた頃前後、アルバムをリアルタイムで追い始めたのは、彼らの5枚目のアルバム『深海』からという身からすると、

12枚目のアルバムである『I LOVE U』はかなり最近のもの、という錯覚があるのですね。

この年末には2年2ヶ月ぶり、記念すべき20枚目のオリジナル・アルバムの発売を予定しているにも関わらず。

だから『I LOVE U』収録の『隔たり』を今回ずいぶん久しぶりに聴いた時には驚きました。

「たった0.05ミリ 合成ゴムの隔たりを あの日 君は嫌がった」との歌いだしが印象的な一曲ですが、0.05ミリはもう今となっては全然「たった」じゃない、と。

時代の流れですね。技術の進歩ですね。

「嫌がった」理由を全く逆のベクトルで(つまり技術の退化を嫌がっただけ?)、なんて想像するとせっかくの曲の情感も失われてしまい…。

 

さてMr.Childrenの桜井和寿がいろんなアーティストのカバーをするBank Bandというのがありまして、

これの一枚目のアルバムにシークレットトラックとして収録されている浜田省吾の『僕と彼女と週末に』という名曲がありまして、

でもはじめて聞いたときは、今みたいにパソコンに入れて曲名がぱっと出てくる時代じゃなかったこともあり、シークレットだから歌詞カードにも載ってなくて、これはBank Bandのオリジナル曲だと思ったのですね。

後にBank Bandで出す『to U』なんかとも雰囲気が似ていて、なんか桜井さんの曲っぽい印象なんですよね、個人的に。

だから「これは浜田省吾の曲なのよ」と大学時代、友人に教わって即、「ハマショー聞かねば」となりまして、

当然、最初に手を伸ばしたのが、『僕と彼女と週末に』が収録されている『Promised Land~約束の地』。

 

絶対に家のどこかにあるはずなんです。

久しぶりに聴きたいんです。

なんで、ないんだよー。